予算
予算書は、作成の目的・提出先によって求められる内容と充実度が異なります。通常の用途であれば、全体の損益予算があればOKの場合が多く、予算書の内容について詳細な説明を求められることもないでしょう。
ここでは、ご参考までに、株式上場審査で求められる予算について概説します。
予算書の内容の例
Ⅰ.事業別損益予算(明細付)
Ⅱ.関係会社損益予算(明細付)
Ⅲ.総合損益予算(単独)
Ⅳ.総合損益予算(連結)
Ⅴ.要員計画書
Ⅵ.設備投資計画
Ⅶ.資本政策
Ⅷ.銀行借入計画
Ⅸ.貸借対照表予算
Ⅹ.キャッシュ・フロー予算
ⅩⅠ.資金繰り予算


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予算書の書き方のポイント
○ロジックの整理
各数値について裏付けとなるロジックを明らかにし、積上げ方式で作成します。
具体的には、独立変数と従属変数を明確に分け、独立変数について根拠とロジックを用意し、従属変数については数式を参照できるようにしておくと良いでしょう。
このため、エクセルなどの表計算ソフトを使用するのは当然ですが、数式を残しておくと参照に便利です。
○期間
予算書は会社の決算期(計算期間)に合わせて作成します。
期間3年の中期予算の場合、当期は月次、翌期と翌々期は半年単位で十分でしょう。
○過去実績
予算に説得力をもたせるため、また厳しい審査質問に回答するうえで、予算書のフォーマットに応じた過去実績の集計は欠かせません。少なくとも過去半年分の月次実績データは欲しいところです。
○事業別明細
少なくとも、事業別、プロジェクト別の精緻な売上明細・売上原価の明細が必要です。
また、主なコスト要因となる設備投資計画や要員についても詳細な予算組みと説明が求められます。
○印刷用紙
細かいことになりますが、提出することを考え、印刷用紙のサイズおよび縦横は各ページで統一すると良いでしょう。
○予算管理規程
なお、上場審査では、予算の中身だけでなく、予算の策定プロセスや予算管理状況も厳しくチェックされます。予算管理規程どおりに運用されていないと是正を求められるため、予算管理規程は初めから実際に運用できるレベルのものを作成することをお勧めします。
予算管理
予算管理の意義
予算管理は、予算の達成および業績の向上を目的として、予算と実績のかい離の原因分析に基づく迅速且つ合理的な経営対応を行い、期間業績のコントロールを図るものです。
予算管理は、適正な月次決算および実績と予算との再分析と狭義にとらえられがちですが、実効ある予算管理を行うためには、予算の策定に始まり、会計システム、毎月の予算と実績の差異分析、取締役会等での報告、トップマネジメントによる是正措置命令、改善状況の監督と繋がる一連の全社システムの構築と運用が求められます。
予算管理が十分に機能している会社では、経営者は会議室に居ながら企業活動のあらゆるシーンの活動状況をタイムリーに把握することができ、さらに経営者の是正措置命令が現場の隅々に行き渡ります。すなわち予算管理は、PDCAサイクルに基づく合理的な経営を行ううえで欠かせない基軸システムと言えるのです。
会社の持ち主である株主にとって会社の業績は最大の関心事であり、株主から会社の運営を委託された経営者にとって予算管理は最も重要な任務と言えます。
多数の一般株主を抱え業績予想開示を行うのが一般的な上場会社にとっては、予算管理はとりわけ重要です。
予算管理の究極の課題は、単なる書類作りに終始することなく、実際の業績、企業価値の増進に役立てることです。
予算管理を実効あるものにするためのポイントとしては、次のような事項が考えられます。
○経営者が予算管理の重要性を認識すること
○事業、部門、従業員個人まで予算管理システムを落としこみ、人事評価・給与システムに連動させることにより、予算管理(業績)の重要性を認識させること
○経営判断に必要なデータを抽出し、重点的な予算管理を行うこと
○詳細なデータを収集できるよう、会計システムを整備すること
○予算の精度を高めること
○各部門に重点管理指標と数値目標を課し、責任と任務を明確にすること
○予算管理規程などのルールを定め、きちんと運用すること
予算管理の一般的な業務フロー
<予算管理システム導入の準備>
1.事業計画(中期経営計画、経営方針など)の確認、整備
2.重要な管理指標の抽出、目指すべき予算のフォーマット作成
3.過去実績データの落とし込み、現行の会計システムで拾えないデータ項目の確認
4.会計システムの整備(事業別管理、取引先別管理、部門別管理、原価管理など)
5.予算管理報告書の整備、必要書類のフォーマット作成
<予算編成>
1.新予算フォーマットに過去実績値を落とした表の作成、各部門への周知
2.各部門予算案作成
3.経営者による検討、修正指示
4.各部門予算案確定
5.各部門予算案を集計し、全社の総合予算案を作成
6.会計処理の仕方などについて会計監査人に確認、調整
7.取締役会における予算承認決議
8.上場企業の場合は、適切な開示へ
<予算管理>
1.月次(四半期、半期、通期)決算
2.予算と実績の対比表、差異分析資料の作成
3.取締役会での報告、協議
4.是正措置の指示
5.是正状況の監督
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