認知症のケア

患者の自尊心に十分配慮することが大切です。
患者に忘れたことの自覚がない点がこの病気の重要な特徴であり、老化による記憶力の低下との相違点でもあります。
また、患者の知的能力は低下してしまいますが、自尊心や感情は大人のままの状態であることが介護における難点と言えます。
そのため、患者に自覚がないことを常に意識して接する必要があります。
すなわち、相手の意識にあわせてあげる努力が大切になります。

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症状と介護の仕方


妄想


認知症患者が、持ち物が無くなったと騒ぎ出したとき、介護者である妻や嫁が真っ先に疑われる場合が多いようです。

日頃から認知症患者の介護で大変な思いをしているうえに、盗人扱いされ攻撃されたのでは、大変なストレスを感じるのは当然です。

しかし、こういう場合、興奮していい返すことは禁物です。
何とか気持ちを落ち着かせて、認知症患者は本当にそう信じていて実際に困っているのだということを理解してあげることが大切です。そして「一緒に探しましょう」などといって同調行動をとってあげるのも良いでしょう。

幻覚


幻覚や幻聴も、認知症の典型的な症状です。
幻覚するものとしては、故人、虫、どろぼうなど、様々あるようです。

認知症ケアにおいては、誤りを訂正するのではなく、認知症患者には本当に見えたり聴こえたりしていて、怖がったり怒ったりしているのだということを十分に理解して接してあげる姿勢が大切です。

物忘れ


物忘れも認知症の症状です。特に、やったばかりのことを忘れてしまうことは、健常者には奇異に見えてしまいます。
テレビのドラマやドキュメンタリー番組でも、認知症患者が食事したことを忘れてしまい「嫁が食事を与えてくれない」と近所に触れて回る、といったシーンは定番となっています。

認知症患者が食事したことを忘れたり何度も食事を要求するのは、認知症による記憶力の低下や脳の満腹中枢が侵されている、欲求不満の解消行動などによるものです。

ここでも、認知症患者は本当に食べていないと信じていることを理解し接してあげる必要があります。
そして、「これから支度するから少し待ってね」などと言って時間を稼いだり、一回の食事を減らしたりして、食べることの満足感や期待感を満たしてあげるのが良いでしょう。



徘徊


認知症ケアでは、認知症患者の徘徊や迷子に対する備えも大切です。
例えば、衣服に名札を縫いつける、認知症患者が携帯している物に住所・氏名を記しておくといった工夫が考えられます。
また、近所の知り合いや交番に前もって事情を話しておくのも良いでしょう。

失禁


失禁(おもらし)がはじまると、認知症介護者の負担はたいへんなものになります。
失禁に対しては、防ぐ努力よりも介護者の負担を減らす工夫を優先的に行った方が良いでしょう。

認知症ケアに役立つ食事


認知症のケアには食事療法が効果的と言われています。

認知症のケアに有効な食事のポイントは、「減塩」「抗酸化」「コレステロール」です。具体的には、魚と緑黄色野菜をしっかりととることが大切です。

高血圧は認知症の危険因子の一つであり、認知症ケアの大敵です。
塩分やコレステロールの摂りすぎは血管を老化させ、動脈硬化や脳梗塞を促します。また、活性酸素によって体の細胞が参加すると新陳代謝が妨げられ、老化を促してしまいます。栄養バランスの良い食事をすることは、高血圧・動脈硬化などの生活習慣病だけでなく、認知症のケアにも効果的なのです。

また、認知症のケアには、生活習慣の見直しも効果があることが分かっています。認知症のケアには、運動、栄養、昼寝をしっかりとると良いとされています。



認知症のケアに有効とされる食事



サバ・イワシ・サンマなどの青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は悪玉コレステロールを増やさないため、若い身体を保つのに有効とされ、認知症ケアにも効果があります。
DHAやEPAは、ウナギやマグロのトロ、ハマチや真鯛にも含まれています。
魚の脂肪は酸化されやすいので鮮度の高いものの方が認知症ケアの効果が高いとされます。
またEPA、DHAを多く含む魚の油を効率良く取るために、鍋やムニエルなどの調理方法が適しています。

きのこ類


きのこ類には、腸内の余分なコレステロールを掃除してくれる食物繊維が豊富であり、認知症ケアにも有用と考えられます。

塩分


塩分は、認知症ケアの大敵である高血圧の主要な危険因子です。
塩分の節制は、高血圧の予防、引いては認知症ケアにも大いに役立つと考えられています。

塩分の節制については、1日10gを目安にすると良いでしょう。

ごま


ごまに含まれるメチオニンは肝機能の働きを助け、トリプトファンはコレステロールや血圧を安定させる働きがあります。また、黒ごまに含まれるアントシアニンには強力な抗酸化パワーがあります。
これらの効果により、ごまも認知症ケアに効果があるとされています。

納豆


納豆に含まれるナットウキナーゼが血栓を溶かし、血液をサラサラにする作用があり、認知症ケアに役立つと考えられます。

海藻類


わかめ・こんぶなどには食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は消化器系の活動を活発にし、身体の若さを保つ効果があり、認知症ケアにも有効と考えられます。

胚芽米


ビタミンEは抗酸化作用に優れており、認知症ケアに有効と考えられます。


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