原因
後天的な脳の器質的障害によりいったん正常に発達した知能が低下した状態を言います。かつては痴呆症といわれていましたが、患者や家族に心情に配慮し政策的にこの名称に変更されたものです。
これに対し、先天的に脳の器質的障害があり運動の障害や知能発達面での障害などが現れる状態のことを知的障害といいます。
また、同病は脳神経細胞の減少や脳の欠損にともない知能が低下する病気であり、老化による記憶力低下や物忘れとも区別されます。


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認知症の原因
認知症の原因は一様ではありませんが、脳血管型(65歳以上の認知症患者の約30%)とアルツハイマー型(同40%)が大多数を占めます。なお、認知症は、男女比では1:2と女性に多い傾向があります。
脳血管型の認知症は、脳梗塞や脳出血などの疾患により脳の機能が低下するものをいいます。
アルツハイマー型の認知症は、脳を構成している神経細胞が通常の老化よりも急速に、いわば病的に減ってしまうことによって、正常な働きを徐々に失っていき、認知症になっていく病気です。
認知症の危険因子
認知症の危険因子としては、加齢が最大のものです。
認知症は高齢になるほど有病率が高く、日本の65歳以上高齢者の有病率は現状で3.0~8.8%、この数値が2026年には10%に上昇するとの推計もあります。
認知症の年間発症率は、65歳以上で1~2%です。
認知症の発症率は75歳を超えると急に高まり、65~69歳では1%以下ですが、80~84歳では8%に上ります。
加齢以外の認知症の危険因子としては、家族歴、遺伝の他、動脈硬化の危険因子である高血圧・糖尿病・喫煙・高コレステロール血症などもあるとされています。
認知症の治療
認知症の治療では、近年認知機能改善薬としてドネペジル(商品名:アリセプト)が開発され、アルツハイマー型認知症を中心として認知機能の改善、痴呆進行の緩徐化などの効果が期待されています。
また、認知症患者は認知機能低下のみならず、不眠、抑うつ、易怒性、幻覚(とくに幻視)、妄想といった周辺症状と呼ばれる症状を呈すことがあり、これらの症状に対しては適宜、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗てんかん剤などの対症的な薬物療法が有効なこともあります。
また、認知症の療養法として、日中の散歩などで昼夜リズムを整える、思い出の品や写真を手元に置き安心させる回想法やテレビ回想法といった薬物以外の手段も有効な場合があります。
なお、認知症治療の社会的インフラは整備されつつあり、介護保険、デイケア通所など社会資源の利用も有用です。
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