パーキンソン病の症状
大別して運動症状と非運動症状があります。非運動症状のなかには、精神症状、自律神経症状などが含まれます。また、高率に認知症を合併します。
1.運動症状
主要症状は以下の4つであり、振戦、無動、固縮が特に3主徴として知られています。
1-1.振戦(ふるえ)
指にみられることが多いですが、上肢全体や下肢、顎などにもみられます。安静にしているときにふるえが起こることが本症の特徴です。精神的な緊張で増強します。指先のふるえは親指が他の指に対してリズミカルに動くのが特徴的であり、薬を包んだ紙を丸める動作に似ているといわれます。
1-2.固縮
力を抜いた状態で関節を他動させた際に抵抗がみられる現象です。
1-3.無動
動作の開始が困難となる症状です。また動作が全体にゆっくりとして、小さくなります。まばたきが少なく大きく見開いた眼や表情に乏しい顔、すくみ足(歩行開始時に第一歩を踏み出せない)、小刻み歩行、前傾姿勢、小字症、小声症などが特徴的です。
1-4.姿勢保持反射障害
バランスを崩しそうになったときに倒れないようにするための反射が弱くなります。加速歩行など。進行すると起き上がることもできなくなります。


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2.非運動症状
自律神経症状として便秘、垂涎などの消化器症状、起立性低血圧、発汗低下、排尿障害、インポテンツなどがあります。
精神症状としては、感情鈍麻、快感喪失、不安、うつ症状、精神症候(特に幻視)、認知障害を合併する場合が多くります。感情鈍麻はパーキンソン病のうつ症状に合併することが多いですが、単独でも現れます。うつ症状はパーキンソン病の精神症候の中で最も頻度の高い症候とされてきましたが、実際の頻度については定説がありません。幻視も頻度の高い精神症候です。この症候は抗パーキンソン薬による副作用と考えられてきましたが、近年ではそれだけでなく、内因性・外因性の様々な要素によって引き起こされるとする考え方が有力になっています。
無動のため言動が鈍くなるため、一見して認知症またはその他の精神疾患のようにみえることもありますが、実際に痴呆やうつ病を合併する疾患もあるため鑑別を要します。
このほか、病的賭博、性欲亢進、強迫的買い物、強迫的過食、反復常同行動、薬剤の強迫的使用などのいわゆる衝動制御障害がパーキンソン病に合併することが知られるようになっています。
パーキンソン病は、
脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態とし、錐体外路系徴候を示す疾患で、神経変性疾患の一つです。日本では難病(特定疾患)に指定されています
10歳代~80歳代まで幅広く発症しますが、中年以降の発症が多く、高齢になるほど発症率および有病率は増加します。20歳代の発症はまれです。40歳以下で発症した場合を若年性パーキンソン病と呼びますが、症状に差はありません。 日本における有病率は10万人当たり100~150人といわれます。欧米では10万人当たり300人と見積もられており、日本の有病率はやや低いですが、明らかな人種差や地域差があるかは不明です。厚生労働省の2005年(平成17年)患者調査では、パーキンソン病患者は約14万5千人となっています。
パーキンソン病の主な原因は、
中脳黒質緻密質のドーパミン分泌細胞の変性です。ほとんどの症例が孤発性(非遺伝性)であり、そのほとんどについては、神経変性の原因は不明(特発性)です。遺伝による発症もあり、いくつかの病因遺伝子が同定されています。その他毒素、頭部外傷、低酸素脳症、薬剤誘発性パーキンソン病もわずかながら存在します。
パーキンソン病の治療は、
運動症状や精神症状、自律神経症状にたいする対症療法がほとんどです。しかしながら、神経変性の機序が明らかになるにつれ、変性すなわち症状の進行を遅らせるための治療法(神経保護薬による治療法)が試みられるようになってきました。また変性した神経を再生させる遺伝子治療や幹細胞移植などの根本治療も現実的なものとして視野に入っています。
パーキンソン病は、それ自体で生命を落とす疾患ではありません。パーキンソン病患者の死因としては、臥床生活となった後の身体機能低下による感染症(下気道感染や尿路感染)、転落による外傷などが原因となることが多いとされます。
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