墓地埋葬法

墓地埋葬法は、墓に関する諸事項を定める法律です。
Wendine

<墓の種類>
墓地埋葬法は、遺骨・遺骸をおさめる場所として、墳墓と納骨堂を規定しています。
この他に、近年、散骨や樹木葬なども認知されつつあります。
1.墳墓
墓地埋葬法にいう墳墓とは、「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」とあり、ここで言う埋葬とは「死体を土中に葬ること」つまり土葬のことを言いますから、土葬墓、火葬墓を総称して墳墓と規定されています。
墳墓とは個々のお墓のことです。日本では現在火葬が98%と圧倒的ですが、土葬も法律的には認められています。

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2.墓地
墓地埋葬法では、墳墓を設ける区域が墓地で、これについては「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域」と規定されていて、第4条に「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」と禁止されています。
つまり、墓地埋葬法上、お墓は勝手に設けることができず、都道府県知事の認可を受けた墓地にしか設けることができないと決められているのです。
墓地経営は、実務上、自治体による公営か、財団法人、宗教法人のいずれかでないと認められません。
また、墓地埋葬法上は土葬が認められているとは言っても、都道府県が墓地の許可条件に「焼骨の埋蔵に限る」と条件をつければ土葬は事実上不可能となり、一部の地域、特別な事情がある限りを除いて、現在では土葬は現実的には困難になっています。

3.納骨堂
墓地埋葬法にいう納骨堂とは「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」です。
したがって、お寺、教会といった宗教施設でも、納骨堂の許可を得ない施設では他人の遺骨を長期的に預かることができません。
また、墓地埋葬法には「他人の」とあるので、自分の家族の遺骨を自宅に保管することは違法ではないと理解されています。

<埋葬、改葬>


墓地埋葬法は、埋葬、改葬について、許可制を採用しています。
 

1.埋葬、納骨には許可証が必要


墓地埋葬法は、墓に遺体・遺骸を埋葬・埋蔵するとき、納骨堂に遺骨をおさめるときには、許可証が必要と定めています。
この火葬・埋葬許可証は、死亡届をした自治体が交付します。
 

2.改葬にも許可証が必要


墓地埋葬法にいう改葬とは、いったん納めたお墓または納骨堂から遺骨を他のお墓または納骨堂に移動させることです。
墓地埋葬法は、改葬を行う場合、遺骨が納められている元の地の自治体に届け出て「改葬許可証」を受け、移動先の墓地または納骨堂の管理者に提出することとしています。
なお、分骨や分骨した遺骨については改葬にはあたりません。



<墓地・墓の使用権>

 
墓地埋葬法上、一般個人による墓地の取得は所有権の取得ではなく使用権(永代使用権)の取得であるとされます。
つまり、墓地埋葬法の規定により、墓地の土地所有権は依然として管理運営主体に留保され、当該墓地を取得した個人はその永代使用権を取得するものと理解されます。ただし、墓地埋葬法によっても、墓石については個人の所有権が認められます。

ここでは、墓地の永代使用権についての土地埋葬法上の取り扱いに注意する必要があります。
まず、土地埋葬法が定める墓地の永代使用権は、墓を撤去して更地に戻した場合でも、原則として返還されません。また、墓地埋葬法は、永代使用権の第三者への譲渡も認めていません。

次に、墓地埋葬法は、墓の撤去をしない場合であっても、管理料の支払いが一定期間(通常3~10年で墓地によって異なります)滞った場合には、永代使用権は当然に消滅することとしています。この場合、管理運営主体は、自由に墓石を撤去し、遺骨・遺骸を無縁墳墓に合祀してもよいこととされています。

<墓の承継>


墓地埋葬法は、墓の使用権者が死亡した場合の墓の承継についても定めています。
墓は、民法の規定に基づく祭祀財産とみなされ、墓の承継者は、本人が指定する場合はその人、そうでない場合には慣習により決定されます。墓の承継について紛争が生じた場合には、家庭裁判所が決定します。

墓の承継は、墓地埋葬法や民法が想定していなかった核家族化と家族形態の多様化の進展により、複雑な問題となっています。また、子供がいないため承継者がいないというケースも出てきています。
民営霊園では、無縁化を避けるため、申請者方式を採用するケースが増えています。これは、配偶者や直系の子供の範囲であれば申請者に継承を認め、紛争が生じた場合は事後的に裁判所の判断に委ねるというものです。
 
こうした社会的変化に対応して、有期限墓地や承継者がいなくても墓地が継続する限り存続する永代供養墓も出てきました。
永代供養墓は、一定期間は墓を存続し、その期間が過ぎて承継者がいなければ予め定められた合祀墓(集合墓)に合祀するという方式が一般的です。最初から合祀する形態の永代供養墓もあります。

<散骨>


近年マスコミの話題となり、関心を深めているのが散骨です。遺骨を墓地または納骨堂に納めるのではなく、遺骨を粉末状にして、これを海や山などに撒く葬送方式です。
しかし、散骨については墓地埋葬法等の法令に明確な規定が用意されていないため、議論が分かれています。
従前は、墓地埋葬法第4条の「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。」との規定、あるいは刑法190条の遺骨遺棄罪にあたるとして、原則として散骨を禁止する方針がとられてきました。
しかし、最近の散骨に対する関心の高まりを受け、法務省は、「社会的習俗として宗教的感情などを保護する目的だから、葬送のための祭祀で、節度をもって行われる限り問題はない」という見解を明らかにし、ケースバイケースで散骨を容認する方針への転換が図られているようです。

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