書き方,作り方

中期経営計画の書き方

ベンチャー企業でCFOとして上場を行った経験のもとに、ポイントをご紹介します。

<目的をはっきりさせる>
作成に際しては、まず誰に何のために提出するのかをはっきりさせるべきでしょう。
目的としては、資金調達、株式上場等の審査、取引先への事業説明、一般向け会社案内、自社役職員への周知などがあり、提出先も銀行、証券会社、証券取引所、ベンチャーキャピタル、信用保証協会、役所、仕入先、販売先、一般消費者、自社の幹部役職員、自社の一般従業員など様々です。また、経営者自身がPDCAサイクルに基づいて経営を行うために作成する場合もあるでしょう。
中期経営計画の内容、質と量、書き方、訴求ポイントは、目的とメインターゲットとする提出先により変わって然るべきであり、当然目的に合致した内容のであった方が効果は高いと言えるでしょう。

ナノインパクト
(↑こちら宣伝ではなく一押し商材です。どんなに良い成分でも毛乳頭の奥まで届かないと意味がないんですね。是非お試しあれ!)

中期経営計画の種類


ひとくちに中期経営計画と言っても、様々な名称・種類があります。これらは内容が重複するものではなく、目的に応じて選択して作成します。資金調達や株式上場審査では全てについて充実した内容のものを揃える必要があります。

○中期経営計画(現在の事業内容と将来の計画を文章で説明したもの)
○予算書(業績の実績と予想)
○プレゼンテーション用資料、サマリー
○第三者による評価資料(監査法人によるショートレビューなど)

また、対象とする期間は、3年(中期)または5年(長期)が一般的です。超長期の目標については、「経営ビジョン」として簡単に触れることが多いようです。

中期経営計画の書き方・注意事項


文体と文章表現


○文体
文体は、常体(だ・である調)が基本です。
ただし、一般消費者や販売先向けの会社案内用として作成する場合には、敬体(です・ます調)で柔らかい表現を使う方が良いでしょう。

○修辞・表現
過剰な修辞や大げさな表現は、品格を落とし、胡散臭い印象を与えかねません。目的・提出先の如何を問わず控えるべきでしょう。
具体的には、「当社は抜群の実績を誇り」、「業界で断トツのナンバーワン」、「絶対間違いありません」といった文章、あるいは「大変」、「極めて」、「確実」といった文言の多用などがあります。
また、誤字脱字が多いと逆効果になりかねないため、提出前によくチェックするよう心がけて下さい。

○敬語
敬語の誤りや過剰敬語には注意しましょう。
よく目にする敬語の誤りとして二重敬語があります。例えば、「お伺いさせて頂く」、「承知致しました」などです。ただし、一般消費者や販売先向けの中期経営計画においては、丁寧さを強調するため、あえて二重敬語を使用する場合もあるでしょう。
また、謙譲語と尊敬語の混同もよく犯す間違いです。例えば、「お伺い下さい」、「申されました」などです。
過剰敬語は文章を読みづらくします。敬語を使う場合は、なるべく丁寧語を用い、尊敬語は必要最低限に抑えることをお勧めします。また、「ご」を多用にも注意しましょう。

○書き方の決まり
また、フォーマルなビジネス文書には文体や書き方に決まりがある場合があるので、できるだけ逸脱しないように注意しましょう。
例えば、有価証券報告書など株式上場関係の開示資料では、「であります」などの古臭い表現が用いられています。因みに「であります」は、もともと長州(山口)の方言であったものが、明治維新後の陸軍では長州出身者が主流を占めていたために陸軍に広まり、公式語として定着したものらしく、あまり使いたくない表現です。が、しきたりには従うのが無難でしょう。

事実と期待の峻別


中期経営計画は、会社の公式メッセージであり、また一度提出してしまうと独り歩きしてしまうものです。事実を正しく伝えるよう心がけ、読む人に事実と期待を混同させないよう注意しましょう。
好ましくない表現としては次のようなものがあげられます。
○顧客や売上数値の過大記載
○明確な根拠がないのに、「業界1位」、「日本初」、「他に例がない」などと記載する
○未開始の新規事業が既に行われているように表現する

 

記載情報および資料間の整合


記載に矛盾があると、読む人に違和感を与え、書類の信頼性を低下させることになってしまいます。記載する情報に矛盾が生じないよう十分に注意しましょう。
特に数値の矛盾は目につきやすいので、提出前によくチェックしましょう。

根拠の提示


資料のレベルを高めるためには、重要な情報についてきちんと根拠をあげて説明することが重要です。その際、客観性の高い情報を根拠としてあげるほど信頼性は高まります。
次にあげる事項は、相手方の関心が特に高いため、できる限り裏付けとなる情報(括弧内は例示)を捕捉することをお勧めします。

○業績予想に関する数値(過去の実績値、増員計画、設備投資計画、営業方針など)
○自社の強みと弱み(同業他社との比較、市場ポジショニングマップ、SWOT分析など)
○事業内容(収益構造図、重要な契約など)
○事業のリスク
○市場規模と将来の見通し(信頼性の高い第三者の分析資料など)

中期経営計画の書き方(各論)


記載内容の例


ここでは、現在の事業内容と将来の計画を文章で説明した資料を「中期経営計画」として、その内容の一例をご紹介します。

Ⅰ.会社の概要
(1)概要(名称、所在地、代表者、資本金(払込資本)、株主構成、事業内容、従業員数など)
(2)創業の動機
(3)事業の目的(会社設立の趣旨、将来のビジョンなど)
(4)株式等の状況(資本推移表、株主名簿、新株予約権者名簿など)
(5)主要な資産
(6)組織図
(7)役員の略歴
(8)企業集団の状況(グループ会社取引関係図、各関係会社の概要)
(9)重要な契約(顧問弁護士、会計士、主幹事証券会社、上位仕入先、上位販売先など)



Ⅱ.事業の現況
(1)事業内容(収益構造図、重要な債権債務関係など)
(2) 強みと弱み(同業他社との比較、市場ポジショニングマップ、SWOT分析など)
(3)現在の経営資源(事業用資産、知的所有権、ノウハウ、主要な役職員、取引先など)
(4)対処すべき課題
(5)事業のリスク

Ⅲ.外部経営環境
(1) 市場規模と将来の見通し(信頼性の高い第三者の分析資料など)
(2)業界の動向
(3)需要の動向
(4)費用の動向
(5)関連する法令の状況

Ⅳ.事業計画
(1)事業機会
(2)経営方針(摘要)
(3)事業計画(詳細)
(4)重点施策

Ⅴ.財務計画(別に作成する予算書の補足情報、資金調達計画、資金使途など)

中期経営計画の書き方のポイント


ポイントは、読んだ人がこちらの思惑どおりの認識をもってくれるように工夫することと言えますが、ここで重要となるのはストーリー性と説得力です。

ストーリー性とは、各センテンスや記載する情報がきちんと繋がっていて、且つ合理的に考えるとこちらの思惑通りの結論に至るということです。また、書類が持つ説得力を高めるには、客観的な根拠を提示するのが基本です。
例えば、事業内容の項で新規性および成長性を合理的に説明し、客観的な外部環境分析に基づく事業機会を証明したうえで、事業機会をとらえるための合理的且つ具体的なアクションプランとして事業計画を説明する、ついてはこういう資金使途があるので資金を出して下さい、という流れは如何でしょうか。

リファラーをSEOに役立てるシステム